日常生活動作(ADL)の評価方法である『FIM(フィム)』
ADLの評価方法には、他にも『BI=Barthel Index(バーセルインデックス)』が有名です。
その違いとして広く認識されているのは、FIMが「しているADL」を評価し、BIが「できる」ADLを評価している点かと思われます。
そのため、BIの方がどちらかというと身体機能・能力に寄っているADL評価であり、
一方でFIMは実際にどこまで介助なく生活を送れているのかを評価することができます。
また、簡便さで言えば、FIMが18項目×1~7段階評点に対し、BI10項目×3段階評点のためBIの方に軍配が上がります。
どちらにも利点・欠点があるため、どちらも使用できるようにしておきましょう。
さて本題です。
前回は「運動項目」の中で「移動(歩行、車いす)」について確認しました。
第②回目は「運動項目」の中でも「移乗(ベッド・いす・車イス、トイレ、浴槽・シャワー)」に関してまとめました。
【ベッド・いす・車いす】
【トイレ】
【浴槽・シャワー】
右中央の白いボックスにある「2×2動作の介助量を平均して考える」とは、
例えば、浴槽に入る場面では、「①浴槽をまたぐのに片脚を介助」してもらい、「②沈み込みは自力で可能」であれば、介助量としては
(①25%+②0%)÷2=12.5%となるため、4点となります。(自分でどのくらい行っているかという観点から、(①75%+100%)÷2=87.5%自分で行っているため4点)と考えることもできます。
浴槽から出る場面では、「③湯からあがるのにしっかり支えて持ち上げてもらう介助」が必要で、「④浴槽外でまたいで出るのに両脚とも介助」してもらう時には、介助量としては、
(③75%+④50%)÷2=62.5%となるため、2点となります。
そして、移乗の項目では、往復のどちらも評価して低い点数の方を考えます。
そのためもし点数を付けるのであれば、この方の場合は、上記により往きは4点、帰りは2点となるため、FIMの得点としては「2点」という記載になります。
<参考資料>「FIM講習会資料」慶応義塾大学医学部リハビリテーション医学教室
☆講習会情報は以下のリンクから↓↓
FIM 機能的自立度評価法 | 慶應義塾大学医学部 リハビリテーション医学教室
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