日常生活動作(ADL)の評価方法として「FIM」を分かりやすく理解するため、
できるだけ簡単なフローチャートを作成しています。
第4弾はセルフケアの「清拭・トイレ」の項目についてです。
さっそく本題です。
【清拭】
「清拭」とは入浴時における洗体動作のことを指します。
「洗う」「すすぐ」「乾かす・拭く」の動作の内、特に「洗う」ことにフォーカスされているというのが特徴です。
得点的には「洗う」動作に重点を置いて考えますが、実際に評価する場合には、「すすぐ」「乾かす・拭く」動作に関しても確認しておきましょう。
身体の内、「頭」と「背部」以外の10カ所を、何か所介助にて行っているかを確認します。「頭」と「背部」に関しては、介助であっても得点に影響はありません。
また、足先など普段から洗う習慣が無く、介助者の負担が増えないのであれば、洗えない場所があっても原点はしないことになっています。
【トイレ動作】
トイレに入って行う、もしくはベッド上にて行う一連のトイレ関連ADL動作の内、主に衣服を管理する部分と、陰部を清拭する部分の動作について評価します。
ベッド上で差し込み尿便器などで自身で行っている場合も対象です。その場合の差し込み尿便器の使用などは以後の「排泄コントロール」の項における補助具の使用にあたります。
4点以下の得点の付け方については、例えばトイレにて排泄する際、手すりを使用して立ちながら、服の着脱は介助、陰部の清拭は自身で行っている場合、
介助量に関しては服を下ろす動作は100%、清拭は0%、服を上げる動作は100%なので、
(100%+0%+100%)÷3=67%となり、「2点」となります。
もう1例提示します。トイレの際、服を下ろすことはできるが、清拭は全介助、服を上げる動作では麻痺側の臀部の衣服が上げきれないため少し介助を要するような脳卒中片麻痺の患者さんなどでは、
介助量としては(0%+100%+25%)÷3=41%となり、「3点」となります。
図の右下にあるカラフルな介助量の得点表は、パッと見で点数の目安になるので、特に覚えておくといいかもしれません。
<参考資料>「FIM講習会資料」慶応義塾大学医学部リハビリテーション医学教室
☆講習会情報は以下のリンクからご覧ください。
FIM 機能的自立度評価法 | 慶應義塾大学医学部 リハビリテーション医学教室
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