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「FIM」の世界一わかりやすいフローチャート その5 【セルフケア(更衣)】編

「FIM」の世界一わかりやすいフローチャート その5 【セルフケア(更衣)】編

FIMのフローチャートも今回の項目で、「排泄コントロール」以外のセルフケア項目は終了となります。

「排泄コントロール」は少し考え方が難しいため、次回じっくり解説していきます。

今回の第5回では、上半身および下半身の「更衣」動作についてです。

FIM小噺:医療機器の小型化

患者さんの病衣は「作務衣(さむえ)」のようなタイプである病院が多いかと思いますが、そのポケットに心電図モニター送信機などの治療上必要な機器を入れると、「これが重くてね」とか「なんでこんなの付けてるの?」とかいう声をよく耳にします。

そう、心電図モニター送信機だけに限ったことではありませんが、医療機器はデカくてゴツいものが多いです。

最近ではLVAD(HEARTMATE)のバッテリーがデカすぎることに患者さんと議論することもありました。

もっと軽量かつ小型化されれば、基本動作や歩行もしやすいのにな〜なんて考えながら離床させています。

MEさん曰く、そこは企業も努力していて、それでも難しい部分があるのだそうです。PCと同じように「発熱」の問題とか。

現実的に、ウェアラブル機器が発展途上にある今、いずれAppleなんかが参入した時に、一気に市場が変貌しそうな気はします。

医療機器が小型化すれば、もっと患者さんの入院生活が快適になるのではないかと思いました。

 

フローチャート その5 【セルフケア(更衣)】

【更衣(上半身)】

コルセットやカラーなどの装具、または義手などの義肢、サポーターや弾性ストッキングなどの治療用具を使用している場合、その着脱も対象とされます。

しかしながらそういった義肢・装具・治療用具の使用は特殊な状況であり、更衣のメインとなるものではないため、義肢・装具・治療用具の着脱を全介助されていたとしても「5点」までの減点となります。

4点以下の得点の付け方についてですが、例えば「Tシャツ」の麻痺側を通すのは介助するが、かぶるのと非麻痺側の袖を通すのは自力で行える、そして最後に服を直すのに介助を要する場合を考えます。

介助量としては(かぶる0%+片腕を通す100%+反対の腕を通す0%+整える20%)÷4(ボタンは無いため4項目)=30%となり「3点」となります。

シャツやブラウスなどかぶる必要が無いものはその他の4項目で考え、Tシャツなどボタンの必要がないものはそれ以外の4項目で考えます。

また、「ブラジャー」では、フックをかけてもらうのみ介助であれば、(片腕を通す0%+反対の腕を通す0%+整える0%+ボタンやフック100%)÷4=25%で「4点」となります。

上記の介助量にて普段「Tシャツ」と「ブラジャー」を着用している場合、介助量は(30%+25%)÷2種類=27.5%となるため「3点」となります。

このように、下着・Tシャツ・上着など同時にいくつもの種類の服を着ている場合は、面倒ですがそれぞれの介助量について評価し、さらにそれらの平均を得点とします。

繰り返します、かなり面倒です。

 

【更衣(下半身)】

上半身と同じように、義足や短下肢装具やニーブレースといった装具、浮腫改善のための弾性ストッキングなどの治療用具を使用している場合は、その着脱も評価対象に含まれます。

下半身の場合も義肢・装具・治療用具の使用は特殊な状況であるため、たとえ全介助であってもその他の衣服の更衣が自力で行えていればFIM上では「5点」までしか下げられません。

上半身との違いとしては、下半身では季節や時間を問わず、下半身に身に着けているものはほとんど同じ(普通はズボン・下着・靴下・靴)となるため、4項目(種類)の衣服の着脱における介助量を平均して評価します。

上半身よりはちょっと楽ですね。

 

参考資料

「FIM講習会資料」慶応義塾大学医学部リハビリテーション医学教室

☆講習会情報は以下のリンクからどうぞ!

FIM 機能的自立度評価法 | 慶應義塾大学医学部 リハビリテーション医学教室

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