第8回目は、FIMの認知項目における「問題解決」の項目です。
フローチャート その8 【認知項目(問題解決)】
「問題解決」とは、ADLや社会的・個人的な事柄・課題に関する問題を解決することを言います。
「理解・表出」と同様に、社会的な事柄などを主に対象とした「簡単な課題」と、日常的な事柄や生理的欲求を主に対象とした「複雑な課題」に分けて考えます。
問題を「解決」するということは、言い換えると、課題に対して計画を立てて適切に行動し、その後修正する一連の課題遂行を指し、合理的かつ安全かつタイミング良く判断し実行できているという状態です。
病院に入院している状況を例にとると、「複雑な課題」としては内服管理や金銭管理などが当てはまり、「簡単な課題」としてはトイレ歩行の際に転倒しないための介助を呼ぶナースコールを押せるか、といったことが当てはまります。
- 薬の管理はできているが配薬カレンダーを利用している場合、は複雑な課題を解決しているが道具の利用を伴うため、「6点」
- 金銭管理や服薬管理はできないが、ベッドの下に物が落ちたときに助けてもらうことを頼めるなどの日常的な課題や動作に対する対処はできている場合、は「5点」
- 転倒の危険性があり、トイレ歩行の際にはナースコールで呼ぶように伝えているが5回に1回は自分で歩きだしてしまう場合、は5回中1回は介助を受けているため1/5=20%の介助量となり「4点」
- 運動麻痺のため「簡単な課題」も自身で行うことはできないが、協力を依頼して退院計画を進めている場合、は介助には当たらないため「7点」
また、失認などがあり「複雑な課題」は解決できるが、「簡単な課題」に介助を要するような特殊な場合ですが、
例えば内服管理はできているが、転倒の危険性があってもどうしてもトイレの際にナースコールで介助を依頼できない、といった場合には「簡単な課題」の解決に対する介助量で判断します。
<参考資料>「FIM講習会資料」慶応義塾大学医学部リハビリテーション医学教室
☆講習会情報は以下のリンクから↓↓
FIM 機能的自立度評価法 | 慶應義塾大学医学部 リハビリテーション医学教室
☆FIMをより深く学びたいならこちらの書籍も必読です!
リンク